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錯覚を起こす。








虚飾






触れられるのではないかと。
その手に、頬に、自分の手を添えられるのではないかと。

ここでは自分は姫乃以外の存在に触れることができる。
(もう一人生きている人間はいるが案内屋なので別だ)
このボロアパートの外に出ればそうは行かないが、彼女以外の人の姿をしたものには、
例外なく自分は触れる。



だからこそ。


錯覚を起こす。



もう自分は死んでいる。
分かっているはずだ。
生きている人には触れられない。
それどころか相手からすれば目視すらままならない。
それなのに、彼女にも触れられるのではないかと、
自分はまだ半年前のように息をしているのではないかと。




錯覚を、起こす。
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ファイルを整理していたら出てきた昔のオリジナル。
戦時中のお話をイメージして作った話で、今読むとあまり意味が分からん話しです。(めそり)

けど晒しておきます。せめてこれ以上のやつを書ける様になれよ、自分!
という意味合いをこめて。
















拝啓 父様母様 そして僕を心配してくれた貴方。

これが最後の手紙になります。
そして僕の最期の手紙になります。


お返事は要りません受け取れません。

心で綴るだけなので決して届くこともありません。


ですがきっとあなたは









明鏡止水
















僕の胸に足に肩に手に浴びせられた鉄の小さな玉共は、いとも容易く僕を地に付させ、
挙句恐らくは二度と立ち上がれぬようにしました。

それはそうです だってさっきまで暑かったのに
もう寒くて凍えそうで目の前がかすんでよく見えません。

先ほどまで聞こえていた放火する音や数万の喧騒やなんやかやは
なぜかもう耳に届きはしません。


恐らく死の間際なのでしょう 僕は止め処なく血が流れていくので頭に血が行きません。
妙に冷静になることで死を受け入れつつあります。



この年でこの世を去ることをどうお思いになるのでしょう
最期まで反対していた貴方は泣いてくれるのでしょうか



いいえきっと泣いてはくれぬでしょう
僕の勝手でこんなことになったのです

自業自得と笑ってください
その方が僕も気が楽です






もう前が まったく見えません。
きっと僕はあの空の上へと行くのでしょう。


君は来なくていいです 来たらきっと追い返して見せましょう。
僕の後を追う様な真似をしてご覧なさい。
それこそ僕は僕を呪いましょう。











拝啓 父様母様 そして最も泣いて欲しくないひとよ。


どうやら会えないままのお別れです。
きっとこれは親不孝なことでしょう。

お墓は建ててもらわなくて結構です。
僕のような馬鹿者のお墓なぞ要りません。

死してなお安らげる場所を与えてもらう資格なぞ 僕にありはしません。
己の愚かさが今になって身に染みます。

僕にはここで鳥に喰われて朽ち果てるのが相応でしょう。





最後の最後で泣かしてしまった貴方は今元気でしょうか。
僕のことなど忘れてしまうでしょうか。










どうぞ忘れてください、それが貴方の幸せのためです。
僕を忘れて、どうか幸せに。
それが貴方の幸せです。
ひいては僕の幸せです。
君が幸せならそれで僕はよろしいのです。





それが貴方を幸せに出来なかった



ひいては僕への罰でしょう。






迷妄










触れたい。けれど触れられない。
そんなことは出会った瞬間実感した。
声は確かに届いた。返事をしてくれた。
だが手は彼女の向こうへ突き抜けた。



その意味するところは、死と生。




分かっているのだ、そんなことは。
いや、当に分かっていた。
それでも”触れたい”と―――、この魂の訴えが、消えて無くなる事は無い。




人間の欲求はあくなきものだ、と常々思い知らされる。
顔を見たい、声を聞きたい、笑って欲しい、名前を呼んで欲しい、
そうして次から次と押し寄せてくる魂の叫びは、遠からず”触れたい”、へと辿り着く。



彼女が触る扉に触ることはできる。
彼女が踏む床を踏むこともできる。
彼女が座るソファーにも座れる。





なのに








「――――――――不公平だ」
何が、と口に出しはしなかったが。
その一節だけを口にする。




別に扉に触れなくていい。(以前管理人室の扉をぶち壊してやろうとしてひめのんに止められた。)
別に床を踏めなくてもいい。(以前明神と大喧嘩をし、床をへこませてひめのんにお叱りを受けた。)
別にソファーに座れなくたっていい。
(以前夜遅くまで話していてソファーに凭れたまま寝てしまったひめのんを
ソファーごと部屋に運ぼうとして黄ザルに発見され絶叫された)










――――――――触れられさえすれば。







「どうかしたの、ガクリン」

居間の同じソファーに腰掛けていたひめのんが心配そうに俺の顔を斜め下から覗き込む。
さっきまで談笑していたのに俺が急に黙りこくり、その上つい今し方の余計な一言を発した性で心配をかけてしまったらしい。
ああ、自分で自分に腹が立つ。
ひめのんに何心配かけさせてやがる、俺。



「―――――何でもないよ、ひめのん」
心配をこれ以上かけさせないように、笑顔を作る。


「――そっか、なら良かった。」

一瞬訝しげな表情を見せたひめのんだったが、笑顔に戻ってくれた。
――――よかった。






何も知らない人間から見たらさぞかし滑稽な事だろう。
女子高生が誰もいないはずの隣の席へ、やや見上げるような角度で話しかけているのだ。
うたかた壮だからそんな人間―――そもそも生きている住人が二人しかいないのだが―――は、居はしないのだが。


それでも、彼女は自分のことを心配してくれる。
見てくれる。
話しかけてくれる。
それで十分ではないか。

当に自分は死んでいる、そう思い知らされることは幾度と無くあっても。

これ以上望んで、今また口を滑らせ、ひめのんを困らせたらどうする。
あまつさえ泣かせでもしたら―――怒りのあまり自分で自分を叩き殺すかもしれない、きっと。




「ひめのん、話の続きをしようか。」






このままで十分、ここまでで十分。自分の魂にそう言い聞かせ、今日も会話で満足する。
姫乃受けで十のお題


1・触れない
2・待ってるよ
3・強情
4・魂
5・瞳の奥の揺らめき
6・受け止める
7・気付いた
8・明るいよ
9・眩しくて
10・大好きだよ




絵でも文でも好きなようにお使いください・・・というか、誰か使ってくれるのか?
リンク等はいりません。報告は任意です。二次配布は禁止です。
順番の入れ替えはしないでください。
そのままタイトルにしていただかなくてOKです。
お題作っちゃいました。
どうぞお気軽に。




ガク姫で一文字のお題

1・愛(あい)
2・槌(つち)
3・髪(かみ)
4・眼(め)
5・遭(あい)
6・撫(なでる)
7・腕(かいな)
8・倖(さち)
9・別(わかれ)
10・哀(あい)





カッコ内は消してくださって結構です(カッコ内の振り仮名に無理があるのは承知です)
絵でも文でも好きなようにお使いください・・・というか、誰か使ってくれるのか?
リンク等はいりません。報告は任意です。
して頂くと鼻息荒く見に行きます。(気持ち悪いから!)
二次配布は禁止です。
順番の入れ替えはしないでください。
そのままタイトルにしていただかなくてもOKです。
それっぽければ無問題。
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プロフィール
HN:
八夜(はちや)
性別:
女性
自己紹介:
このブログは二次創作サイトに限りリンクフリーです。
張るなり剥がすなり好きにしてください。

本誌読みきりからみえるひと大好き。
ガク姫大好き。姫乃受け大好き。
十代。視力0.1以下。
三月十四日生まれ。
面倒臭がりのA型。
NCP好き。
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